きいは、ワニマガジン社の『COMIC快楽天』を主戦場に活動する作家だ。2012年の第30回快楽天新人漫画王賞で「ソルト・ペッパー・チョコレート」が最終候補に残り、翌2013年の第33回同賞では「罪と…」が奨励賞を受賞。その後掲載された「スプラッシュ」でデビューを飾った、いわば快楽天新人賞出身の生え抜き作家である。作風について編集者は、感情移入型ではなく俯瞰的な立ち位置から可愛いキャラクターの行為を「のぞく」感覚で描いていると評しており、コマ運びの間の取り方やページをめくるリズムの良さが持ち味だとされている。読者が対象に感情移入するのではなく、少し離れた視点から覗き見るような距離感が、きい作品特有の艶っぽさにつながっている。 デビュー単行本にあたるのが「放課後バニラ」だ。粒ぞろいの短編集として高く評価され、キャラクターを魅力的に描く画力と、成人向け漫画作家としての高い水準を早くも示した一冊とされている。読者レビューでも作画・ストーリーの完成度、そしてエロティックな描写の質の高さが揃って評価されており、新人離れした仕上がりが「今後が楽しみな作家」という評判につながった一冊だ。 「不完全マーブル【デジタル版限定おまけ付き】」は、ワニマガジン社の「ベストヒット2022」で1位に選ばれた、きいにとって3冊目の単行本。COMIC快楽天の表紙を飾ったヒロインたちを主役に、思春期特有のじれったさや繊細な心の機微を丁寧にすくい取りながら濃密な行為シーンへとつなげていく構成になっている。読者からは「本当にかわいい」「嫌な気持ちにならず読みやすい」といった声が寄せられており、エロティックさとキャラクターの可愛らしさが両立している点が高く支持されている。 「COMIC快楽天 2022年02月号」「COMIC快楽天 2023年01月号」「COMIC快楽天 2024年01月号」の3冊は、いずれもきいが定期的に作品を寄せている本誌そのもの。単行本の合間を縫って読み切りや連載回を発表し続けている点に、快楽天出身作家としての活動の軸足がうかがえる。号ごとに評価にはばらつきがあるものの(2022年02月号が4.91と特に高評価)、単発の読み切りでも作家としての「のぞき見」の視点をぶらさず貫いている点は共通している。 新人賞からのたたき上げというキャリア、俯瞰的な視点で描く独特の距離感、そしてワニマガジン社のベストヒットに選ばれるまでに至った画力とストーリーテリング——きいは、快楽天という舞台で着実にファンを増やしてきた作家だ。単行本はもちろん、日々の掲載号でも安定してその持ち味を発揮し続けている。
商業コミック ・ 特集 ・ 2026/9/15
きい特集
代表作
1放課後バニラ
快楽天新人賞出身の作家が放った、新人離れした完成度のデビュー短編集
2不完全マーブル【デジタル版限定おまけ付き】
ワニマガジン社ベストヒット2022で1位、思春期の機微を濃密に描いた3冊目の単行本
3COMIC快楽天 2022年02月号
きいが読み切りを寄せた快楽天本誌、読者評価4.91の高評価号
4COMIC快楽天 2024年01月号
きいの「のぞき見」の視点が光る快楽天本誌の1冊
5COMIC快楽天 2023年01月号
思春期ヒロインたちの心の機微を描く、きい作品らしさが詰まった快楽天本誌











